不確定日記(ぜんぶ豆)

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不確定日記
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久しぶりに夢を覚えていた。夢の中でもマットレスに寝ていたので、寝具自体は快適なのだろうと思う。
中野ブロードウェイの上階に居候する初日の夢だった。
雨の合間に散歩に出た。近年は雨の日が生暖かい。
夏が近づくと出す黄色いインド綿のロングスカートを履いていたのは失敗だった。暖かい風が強くすぐもみくちゃになる。絵具で今の私の様子を描くなら抽象的になるだろうと思った。
暗渠の遊歩道を歩く。緑が鮮やかな植栽がさらに伸びたそうにしている。直産品の店で野菜を少し買って違うルートで帰る。
ほんの少し雨が降ってきて風で横から吹き付けるので私をもみくちゃにする絵具の色が一つ増えた。
住宅街はそれぞれの庭木の葉や花が濡れた地面に落ちて張り付いている。木製のベランダを深緑のペンキで塗ってあるのと表通りから少し入って入り口まで飛び石のある小道がある家が好きだなと思う。家の前をほうきで掃いている人がいて、乾いてからにすればいいのにと思うが、この先いつ晴れるのかはわからない。地面に張り付いた長細いものを通りすがりに見たら、葉ではなく全て薄い鞘に入った豆だった。鞘の中の大量の薄い豆を思うと気が遠くなった。ずっと黄色いスカートを手で押さえていた。
帰りに近所の立ち飲みチェーン店がいつの間にか店頭で鮮魚を売るようになっていることに気付いてかつおの半身を500円で買った。帰宅後しばらくしてから外にバタバタバタ、と強い雨が降った。

遊歩道