不確定日記(諦めながら呼ぶ)

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不確定日記

またコインランドリーに行ったので、乾く間散歩をした。40分はちょうどいい。行ってみたことのない商店街に行く。空気は湿っているが人はポツポツいる。薄暗い店をよく見ると駄菓子屋で、子供がたくさんいた。私はあそこにもう入ることはないんだなと思う。子供の頃駄菓子屋で店主以外の大人を見たことはないし居たら興醒めだったろう。安い精肉店、和菓子屋、天ぷらを売っている店、統一感のない雑貨を並べた倉庫のような店、もうやっていない、植木に埋もれたスナックなどを眺めてある程度奥まで行って折り返し戻る。買って帰ろうかなと思っていた製麺所は店頭にだれもいない。いつも通るらしい幼児が「おじさん今日はいないの?おじさんどこにいる?」と祖父らしい人に訊いている「奥にいるんじゃない。お仕事してる。」中華麺が買いたくて「すいません」と声をかけるが、私はこういう声が通らない。もうずっと通らないので半分諦めながら発声するからより通らないのだけれど。感染避けのビニールの仕切りの隙間から覗くと、奥に人の後ろ姿が見える。椅子に座っているようだが微動だにしない。「おじさん」ではないように見える。もしかすると鏡かもしれないと思う。奥のどのあたりに人がいるかわからない。しばらく覗いて再度声をかけたが、諦めて帰った。幼児と祖父はまだ同じ会話をしていた。今度来た時は買えるといいなと思う。帰宅して、インスタント袋麺を茹でた。それなりにおいしかった。

写真を撮ると雨雲が写る