不確定日記(腹と頭)

1つ星 2
読み込み中...

食べることは好きだけれど、目一杯たくさん食べたい、という欲は昔からあまりない。下の子で兄とは8つ離れているので争う相手もいなかったし、母は私に「それ以上食べてはいけない」とも「残してはいけない」とも言ったことがなかったので食べる量は自分で決めていいという安心感があった。人生で定期的に体を動かしていたこともなく、それでも思春期あたりにはそれなりには食べたが、腹が減って仕方がないというような渇望はなかったように思う。今はもう中年なのでさらに量は食べなくなった。けれどもたまに腹具合とは別のいてもたってもいられない空腹を感じることがある。体調のせいなのか、何か特定の栄養が足りていないのか、ホルモンか気候か、その辺りはよくわからない。今日は朝目を覚ましたら雨音がしたのでその後ずっと家にいて、ほとんどずっと座っていた。パソコンの前に座っているとすぐ動画を見てしまうので、寝室の畳の上に古道具屋で買った座卓を置いて仕事をする。いつもと違うシンプルな景色は独房に似ているが集中はできる。数時間仕事をして、おやつが食べたくなって台所に取りに行った。バームロールとカルパスを3つ。独房に戻って食べる。しかしどうも足りない気がしてカルパスを2つ追加しに台所に戻る。この辺りで自分の空腹感に気づく。何か、足りない気がするのだ。追加分を食べてもちっとも満足していない。さらに3往復したあたりで焦ってくる。おかしい。胃腸のあたりの具合で言えばそうでもないのだがどうしても止められない。どちらかというと気持ちが次を欲している。このままではカルパスを食べ切ってしまう。塩分がひどい。夕飯にはまだ早い時間だったが私は仕事を諦め、パスタを茹でて卵とチーズとブロッコリー入りクリームソースを和えて食べた。パスタを一気に食べながら、いつの間にか梅雨入りしていたのを知った。今日は窓の外を一度も見なかった。

正座ができない