だからどうしたというわけでもないのだけれど、虫が苦手でも好きでもない。そして、虫に対してそれぞれ固有の感情があるな、と思ったのでメモしてみる。そんなことに誰が興味あるのかは知らない。
ゴキブリのことはそんなに嫌ではない。とはいえ避ける薬剤を部屋の隙間ごとに置いているし、見かけた時に素早く動けそうだったら新聞紙などで捕まえて捨てるが、静かな夜中に壁にいる大きな虫と目が合う(気がする)と、なんとなく、お互い大変ですな、みたいな気にもなる。
どちらかというと不得手なのは細かくてたくさんいる虫で、どうも歳を経るごとに「小さくてランダムな黒い点への生理的な嫌悪感」が強まっているのもあってコバエ には不安を煽られる。刺されるわけでもないので発生しても殲滅したいほどの執着はないが、嫌は嫌だ。毎年湿気と気温が多くなる時期には避けたりおびき寄せて殺したりするものを部屋に置く。羽蟻のことはもっと恐れているが、一軒家に住んでいた時とアパートの一階に住んでいた時しか一個隊で部屋に入ってこられたことはないので、もう恐怖も煩わしさも少しぼんやりしている。
蜂は怖い。スズメバチはとにかく見た目が怖いので、刺されたことはないが見かけたらじわじわと遠くに離れるようにしている(私は威嚇されるのが嫌いだ)。スズメガは今の家では見ないが存在感が大きくて割と好きだ。
あと時々、お湯を張る前の浴槽に竈馬がいることがあるが、その場合は嫌というよりは「ちょっと失礼」という気持ちだ。それも捕まえる気力があればなるべく捕まえて窓の外に放る。
そのほかは、以前住んでいた部屋のドアに小さい卵が産み付けられていたのでスマホのカメラで拡大してみたらごく小さいカメムシが孵化しているのが見え、それもちょっと生理的にダメで鳥肌が立ったが、見てしまってすみません、という気持ちでもあった(拭き取ってしまったけれど)。
ハエトリグモは見かけると嬉しい。カネタタキの音がした時は録音した。